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荷電粒子は磁場中を通るとローレンツ力を受けて曲げられる

荷電粒子は磁場中を通るとローレンツ力を受けて曲げられる。これを利用して荷電粒子に円形の軌道を描かせながら加速する加速器を作ることができる。粒子の軌道を曲げる時、電磁波がシンクロトロン放射として放射される。近年ではこのシンクロトロン放射は放射光として利用され、そのための専用の加速器施設も建設されている。

サイクロトロン [編集]
磁場を用いて荷電粒子に円形の軌道を描かせて加速する加速器のうち、磁場が時間的に変化しないものをサイクロトロン(cyclotron)と呼ぶ。

古典的なサイクロトロン [編集]
サイクロトロンの基本的な構成は一様磁場中に設置された2つの半円形の電極である。電極は直線になっている側が開放された中空の構造で、開放された端が向かい合うように設置されている。

加速を開始するためにはサイクロトロンの中心付近に荷電粒子を入射し、電極に交流電圧を印加する。電極間の電場によって加速された荷電粒子は電極の中の一様電場中で磁場から受けるローレンツ力のみをうけて円形軌道を描き、再びギャップに到達する。このときにちょうど反対の電場が電極間に生じるような磁場、電極間電圧の周波数を選んでやると粒子は再び加速されもうひとつの電極の中を先ほどより半径の大きな円形軌道を描き飛行する。軌道の拡大と粒子の飛行速度の増加がつりあうため次に粒子がギャップに到達するまでにかかる時間は先ほどと同じである(等時性)。したがって、一旦加速をはじめた粒子はギャップに到達するごとに加速され大きなエネルギーを比較的容易に達成することができる。

以上は理想的なサイクロトロンに関する記述であるが、実際にはいくつかの制限がある。まず粒子の散逸を防ぎ安定した加速を実現するために粒子を収束(フォーカシング)する必要があり、そのためには磁場を一様な状態からずらさなければならないということである。もうひとつは、粒子が相対論的速度(光速に近い速度)まで加速されるともはや上記の等時性は成り立たず加速を継続することが出来なくなるという点である。
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これらの問題点を解消するために歴史的には様々な工夫がなされてきたが、エネルギーフロンティアの開拓はシンクロトロンに道を譲ることとなった。現代のサイクロトロンはセクター型にすることにより上記の問題を部分的に解決し、大強度重イオン加速器として原子核物理学の発展に寄与している。

現代の高エネルギー加速器は一部の例外を除きシンクロトロンである。しかし同じシンクロトロンであっても加速対象の粒子によって設計は異なる。

レプトンコライダー [編集]
レプトン(主に電子・陽電子)は電荷に比べて質量が軽いため軌道を曲げるのは簡単であるが、速度が速いため円形加速器を用いた場合シンクロトロン輻射の影響でエネルギーロスが大きい。したがってベンディングマグネットは小さいものでもかまわないが加速装置が巨大になり、設計にも困難をきたす。そのため2004年現在において次世代高エネルギー電子コライダーとして線形加速器を用いたリニアコライダーを建設することが計画されている。

ハドロンコライダー [編集]
ハドロン(主に陽子・反陽子)は電荷に比べて質量が重いため高エネルギーで軌道を曲げてもシンクロトロン放射をおこしにくい。そのため強力な磁石で、半径の小さな高エネルギー加速器ができる。

重イオンコライダー [編集]
高エネルギー重イオン同士の衝突のような高温高密度状態ではクォークグルーオンプラズマのような新しい物質相が生成されると考えられているので、このような状態を作り出すための重イオン加速器が存在する。重イオンは陽子よりもさらに曲げにくいためにその設計はより困難である。現在もっともエネルギーの高い重イオンコライダーは、アメリカブルックヘブン国立研究所にある相対論的重イオンコライダー(Relativistic Heavy Ion Collider, RHIC)である。CERN(セルン)の次世代ハドロンコライダーであるLHC(ラージハドロンコライダー,Large Hadron Collider)は重イオンコライダー実験を行うこともできるように計画されている。

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2009年06月13日 11:15に投稿されたエントリーのページです。

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